爆裂補修工事
各階のバルコニー軒天部のコンクリートが爆裂し落下する恐れがあったため、ブランコによりその補修工事を行った。軒天部はコンクリートに塗装された物だが、経年に伴い塗装表面にクラックが発生し、そのクラックより雨水等が毛細管現象により塗膜と建材の間に浸水し、塗膜剥離が発生する。塗膜が剥離すると、雨水はその内部のコンクリート・モルタルに浸潤し、中性化を引き起こす。特に関東地方の雨水は酸性雨(東京の雨はpH4.2~4.8)であり、中性化速度を加速させている。中性化したコンクリートは更なる浸水を呼び、内部の鉄筋に浸水すると鉄骨が腐食・膨張するため(酸化鉄の体積は鉄の約2.5倍)、コンクリートはひとたまりもなく爆裂する。